IP ヘッダ
IPv4 Header
- バージョン(Version)
- IP プロトコルバージョン(4)
- ヘッダ長(IHL: Internet Header Length)
- IPv4 ヘッダの長さ、単位は4オクテット(32bit)
- (オプションフィールドにより長さが変わるため)
- サービス種別(ToS:Type of Service)
- 優先度や遅延、データ量、信頼性といった重視すべき指標をビットで指定
- 一般的に送信者は優先度を高く設定する傾向が強く、多くはゲートウエイ等によって上書き
- パケット長さ(Total Length)
- パケット全体の長さ、単位は1オクテット(8bit)
- 識別番号(ID: Identification)
- 送信元によって管理される連番
- 送信経路内で分割されたパケットを復元用
- フラグ(Various Control Flags)
- 断片化する際の制御に用い、断片化禁止、継続、終了など
- 断片位置(Flagment Offset)
- 断片化された際の位置を8オクテット単位で指定
- 生存時間(TTL: Time to Live)
- ルータを通過する度に減算され、0になるとエラー処理
- プロトコル(Protocol)
- 上位プロトコルで利用するプロトコル番号(TCPならポート番号)
- ヘッダチェックサム
- ヘッダのチェックサム。TTLが毎回かわるため、ルータにて再計算が必要
- 送信元IPアドレス(SA:Source Address)
宛先IPアドレス(DA:Destination Address)
- 送信元および宛先のIPアドレス
- オプションフィールド(Options)
- ルータへの動作指示などを格納
- パディング
- オプションが4オクテット単位になるよう補充される0
IPv6 Header
- バージョン(Version)
- IP プロトコルバージョン(6)
- 優先度(Traffic Class)
- IPv4 の ToS に相当。
- フローラベル(Flow Label)
- ルータの帯域確保に用いられる。資源予約型 QoS
- ペイロード長(Payload Length)
- データ部分の長さ
- 次ヘッダ(Next Header)
- 次に続く拡張ヘッダ識別子(プロトコル番号)
- 0: Hop-by-Hop option header, 60: Destination option header
- 43: Routing header, 44: Fragment header
- 50: ESP header, 51: Authentication header, 59: No Next Header
- ホップリミット(Hop Limit)
- IPv4のTTL、TTL はホップ数または時間(S)とする仕様であったが、事実上ホップ数しか使われていないため、より明確な名称に変更
その他
IPv6 では、Path MTU Discovery 機能により経路中の最小 MTU を確認し、
その大きさでデータ転送するためパケット分割を回避している。
またチェックサム計算を行わないためルータ負荷軽減を実現した。
参考)
☞WIDE
インターネットアーキテクチャ 第8講