プリンター管理

SAP R/3 ではプリンタジョブは1つのインスタンスにつき、1つのワークプロセスが割り当てられる。 (V4.x では複数のサービスが利用できる。)
また印刷につて R/3 は OS のスプーラ(印刷機能)への依頼までを行い、実際に印刷できたかどうか については感知しない。 個々のリクエストについて、制御情報と印刷データを作成し、それを OS のプリンタ機能に転送する。 よって、R/3 では印刷について厳密な制御は行われておらず印刷が成功したかどうかはハンドリング できない。必用に応じて R/3 と OS のシステムログを突き合わせる必要がある。

プリンタ環境について

印刷に関するリソース設計には利用形態からみた分類と、接続形式の分類がある
利用形態による分類
  1. クリティカルな印刷
    高速な印刷が必要なもの
    専用サーバとプリンタのセットを用いる
    高い可用性が必要なもの
    専用サーバを SOS(Switch Over System)に
    高いセキュリティが必要(領収書や給与明細など)
    スプール管理で「完了時削除」を
    TemSe(印刷データ)は DB に格納し、OS ファイルは使わない
  2. アプリケーション別印刷
    出力制御システム
    印刷内容によって出力先を決定
    アプリケーションのカスタマイズ
    アプリによっては NAST、TNAPRテーブル経由 (バックグラウンド)である
  3. 一括印刷
    大量の印刷
    時間重視のスプールと共有しないこと
    ローカル接続プリンタにする
    ファイル、データベース資源
    RSPO0041(スプールのゴミ消し)プログラムのスケジュール
  4. ユーザ印刷
    MS Office 経由
    R/3 で管理するプリンタ以外を使用する
  5. リモート印刷
    いつでも新規に印刷依頼を受けれる相手と接続する
接続形態による分類
アクセス方法意味
UNIX ローカルプリンタ(lp(1),lpr(1)により出力)
Windows ローカルプリンタ
UNIX リモートプリンタ(LPD:RFC1193?)
Windows 共有プリンタ

プリンタの設定

プリンタの設定は「スプール管理」(SPAD) により行う。
新規にプリンタを追加する場合は「●出力先」をチェックし、[変更]ボタンを押す。
現在定義されている出力先の一覧が表示されるので、さらに[登録]ボタンを押す。
「スプール管理:出力先登録」が表示されたら、必用な項目を埋め[登録]ボタンを押す。 なお一部のエントリ(対象ホスト、ホストプリンタ)などは印刷デーモン形式に依存するため、 一旦、この形式を指定した後(Enter入力後)、関連項目が表示される。

印刷状況の表示

「スプール:依頼画面」(SP01)は印刷ジョブの一覧を表示する。
この画面から、印刷状況を確認することができる。 ジョブを指定してから参照ボタンで、印刷イメージが表示できたり、再度印刷を行うことができる のでセキュリティ上、運用には十分な配慮が必用である。

しつこいが、この画面での「完了」とは印刷できたかどうかではなく、OSの印刷機能に正常に依頼 したという事である。紙切れや PostScript エラーなどは感知しない。
ユーザ接続