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クライアントと移送

R/3 はそのデータベースをクライアントと呼ばれる単位に分割し、 複数の環境を提供できる。
ただしすべてを分割できるわけではなく、分割できるデータを「クライアント依存」 分割できないものを「クライアント非依存」と呼ぶ。クライアント非依存データの 修正には注意が必要で、多くのトランザクションでは「クライアント非依存データ への修正」である旨のメッセージが表示される。
クライアント意味備考
000全 R/3 共通環境全て基となる環境。 修正を加えてはならない
001ドイツ版カスタマイズ環境 ドイツ版のカスタマイズサンプル。
066アーリーウォッチ用環境SAP 社コンサルタントの リモート LOGON用。 社外秘情報などを置いては行けない

クライアント依存データ

技術的にはテーブルの先頭部分に項目 MANDAT があり、これが同じデータは 同一クライアントとして識別される。

クライアント非依存データ

リポジトリ・オブジェクトがクライアント非依存である点は大変重要であり、 プログラムの修正などは慎重に行うべきである。

クライアント・コピーと移送

同一システムのクライアント間でデータをコピーすることを「クライアント・ コピー」と呼ぶ。これはあくまでの同一システムの場合で、違うシステムへ コピーする事は「移送」という手順となる。 またリポジトリ・オブジェクトも移送により他のシステムにコピーできる。

クライアントを利用して開発環境、テスト環境、本番環境を構築することは 可能であるが、すでに述べたようにクライアント非依存データがあるので それぞれの環境は別のシステムに分けるべきである。 SAP 社が推奨しているのは これら3種類の環境をすべて別システムとする「3システムランドスケープ」構成 である。なおランドスケープとは開発、テスト、本番といった一連のシステムを まとめた物を指す。

テスト環境と、開発環境を分離するのは、リポジトリ・オブジェクト修正の影響を テスト環境に与えないためである。またテスト環境と本番環境を分離するのは、 テスト環境への移送により、移送自体の問題点を確認するためである。
さらに4つ以上のシステムからなるランドスケープも可能だが、R/3 の標準機能では サポートされておらず、手作業による煩雑な設定を伴う。
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