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1.4 起動と停止

システムの電源を投入し、OSが起動しサービスが提供できるようになる一連の流れと、 逆にサービスを終了しシステムを停止するまでを解説します。

ブート

電源を投入してから、起動するまでの流れは次の様になります。

  1. 自己診断
    多くのシステムでは、電源を投入するとBIOSなどのHW組み込みのソフトウエアが、 システムの状況を確認するプログラムを実行します。 PC では、POST(Power On Self Test) と呼ばれる事もあります。
    この時点でエラーが発生した場合は、ハードウエアトラブルが考えられ、修理が必要となります。

  2. BIOS によるブート(ブートローダの読み込み)
    PC では、BIOS がブート可能デバイスの候補からブート情報(MBR:Master Boot Record) を読み込みます。 ブート可能なデバイスの一覧はブートシーケンスとよばれ BIOSの設定によります。 最初に見付かった MBR が読み込まれます。
    Windows であれば、先の MBR により Windows が起動されますが、Linux ではブートローダ と呼ばれるプログラムが起動します。

  3. ブートローダによるブート(カーネルの読み込み)
    ブートローダはその設定ファイルに従い、カーネルを読み込みます。 ブートローダは LILO, GRUB の2種類が有名で、GRUB が一般的になっています。
    多くのブートローダは複数のカーネルを選択でき、起動するモードを指定できるようになっています。

  4. カーネルの起動
    カーネルは起動すると接続されているハードウエアを判定し、 必要なドライバーを組み込みます。
    さらに init プロセスを起動し、各種サービスを起動します。

ランレベル

Linux では、ブート後に起動するサービスの組を数セット用意し、 必要に応じ選択できる仕組をとっています。 この動作環境のことをランレベルとよび0〜6の数字で表します。

Run Level解説
0システムの停止。シャットダウン。
1シングルユーザーモード。保守用(rootでログインした状態で起動)。
2マルチユーザーモード。(NFS 未使用)
3マルチユーザーモード。CUI でログイン画面を表示。
4ディストリビューター依存。多くの場合は未使用。
5マルチユーザーモード。GUI でログイン画面を表示。
6再起動。リブート

特に指定しない場合、ランレベルは3で起動されます。 (ディストリビューションにより異なります)

システムの停止

システムの停止には、shutdown(8) コマンドを用います。shutdown はシステムを停止させる ホールトと、再起動させるリブートの2通りの使いかたがあります。 また停止するまでの執行猶予時間(分)、停止理由を指定することもできます。

システムの再起動

スーパーユーザにて shutdown -h コマンドを実行します。
	# 即再起動する
	# shutdown -r now
システムの停止
スーパーユーザにて shutdown -h コマンドを実行します。
	# 即停止する
	# shutdown -h now

	# 3分まって停止する、さらに全ユーザに理由を表示
	# shutdown -h +3 "mail system maintenance"
もし失効猶予があれば、^C で shutdown そのものを中断する事ができます。

shutdown コマンドは、シャットダウンした時の記録をログファイルに書き込み、 種々のサーバを停止、ファイルシステムのキャッシュをディスクに書き込むといった 終了処理を行います。
同様に halt, reboot, poweroff といったコマンドもありますが、基本は shutdown を 用いるべきでしょう。


コマンドの要約

shutdown [オプション] 時間 [メッセージ]
システムの停止または再起動
-r 再起動を行います。
-h システムを停止します。
-k コマンドのテスト(メッセージ等は表示されるが、実際に停止はしない)

時間は、hh:mm または +n の形式で指定します。前者は実行する時刻を、 後者はコマンドを投入後 n 分で実行します。

メッセージはログインしている全ユーザに表示されます。 表示はコマンド投入直後から毎分くりかえし表示されます。
この様にログインしている全ユーザにメッセージを表示する、wall(1)コマンドもあります。

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