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2.5.1 テープアーカイバ−(tar)

【機能説明】
コマンド tar は、特定のディレクトリ下にある複数のファイルを 1つのファイルにまとめ上げます。 このまとめたファイルをアーカイブ(archive:書庫)と呼びます。
古くは磁気テープ上へファイルをバックアップするために用いられていましたが、 最近では、キットの配布などによく用いられます。またネットワークで配布する 場合には、さらにアーカイブを圧縮したファイル(TARボール)が利用されます。

【入力フォーマット】
tar ファンクションフラグ[オプション] [ name ]
ファンクションフラグは tar の機能を指定する物で、オプションよりも先に 指定しなければなりません。
c (create)
テープの先頭から書き込みます。
r
指定したファイルをアーカイブの最後に書きます。
t (table of content)
アーカイブの内容を表示します。
u (update)
指定したファイルがアーカイブ中にない場合は末尾に追加。
アーカイブ中にあるファイルでも、内容が異なる場合は修正。
x (extract)
指定したファイルをアーカイブから取り出します。 指定した名前がディレクトリの場合は、 そのディレクトリに含まれる全てのファイルを取り出します。
名前を指定しない時はアーカイブの全ファイルを取り出します。

スーパーユーザが tar コマンドを使用した時は、コピーされるファイルの UIDとGIDはテープ上のものと同じになりますが、一般ユーザの時は、そのユーザ のUIDとGIDが使用されます。

【主なオプション】
p
指定したファイルをオリジナルの属性で展開します。
v
処理中のファイル名を表示します。
w
ファイルごとに実行の確認を要求します。“y”または“Y”で始まる文字を入力 した場合、処理が実行されます。それ以外は実行されずに無視されます。
d
tar は通常ファイルとディレクトリのみを書き込みますが、 このオプションを使用する事で、デバイスファイルを扱うことができるようになります。
(システム管理者用)
m
ファイルの修正日時をリストアした日時に変えます。
l
ダンプされたファイルのリンクを処理できない場合に、メッセージを表示します。
h
ヘッダー・チェックサムのエラーを無視します。
bblocks
レコードのブロック(blocks: 1ブロック=512バイト)を指定をします。
z (zip)
アーカイブを圧縮モードで扱います。
f file
アーカイブファイル(file)を指定します。 ます。

【 tar の例】
  1. ファイル3つを bkup.tar に保存する。
    	[student@h006 ~]$ tar cvf bkup.tar test.c prog0.c prog1.c
    
    	
    

  2. アーカイブの最後にファイルを追加する。
    	[student@h006 ~]$ tar rf bkup.tar prog2.c prog3.c
    
    	
    

  3. カレントディレクトリに圧縮されたアーカイブを展開する。
    	[student@h006 ~]$ tar xzf bkup.tar.gz
    
    	
    
  4. アーカイブの内容を見る
    	[student@h006 ~]$ tar tv
    
    	
    
  5. 特定のディレクトリから下を全て他のディレクトリへコピーする。
    	[student@h006 ~]$ cd dir1
    	[student@h006 ~]$ tar cf - .  | ( cd ../dir2; tar xf - )
    
    	
    

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